男女における年収格差

日本の働く女性の年収はどのようなものでしょうか。一言で述べると男性優位の格差状況が続いています。

少し前の調査ですが、2012年国税庁発表「国民給与の実態調査」による男女別会社員の平均年収は男性502万円に対し、女性268万円でした。その差は実に234万円。男性の収入は女性2人分の年収分に近く、大きな差があります。その後もあまり変化はありません。

残念ながら日本は、世界先進国の中でも男女別賃金格差が最も大きい国の一つです。男性の賃金を100としたときの女性の賃金は、スウェーデンやデンマークなど北欧諸国の8割以上に対し日本は6割台で、賃金格差の少ない国の順位で日本は世界8位となっています。

男女間賃金格差の生じる原因にはいくつか考えられます。

先ず、男性に比べて女性の管理職の割合が低いこと、そして勤続年数が男性に比して短いことが大きな原因と指摘されています。女性は結婚を機に退職する人も多く、仕事を続けながら出産を経ても、その後の育児などに追われる負担のために結局退職せざるを得ないこともあります。このようなことで勤続年数は短くなり、管理職にも就きにくいことが考えられます。更に、女性就業者には賃金の低いパート労働者が多い、ということも男女間格差の一因ともなっています。また、結婚を機に退職した女性が再就職するに際しては正社員で働けることが少なく、必然的にパートタイム労働者となることが非常に多い、という問題があります。
また、パートで働くことになっても税制上の仕組みで103万以内の所得に対しては所得税非課税となることで夫の扶養内で働けるようにするために、就業時間を調整している場合もあり、これも格差の一因ともなっています。
家庭を持つ女性でも、しっかり働いて稼ぐことができるような国の体制をつくってほしいものです。強い女性たちの力を社会に生かさないのはあまりにももったいないと思います。